四月の風

君に会えた四月の風

スペシャアワード2018のエレカシが凄かった件

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春の嵐が吹き荒れた朝とは、まるで人が変わったかのような好天に恵まれた横浜にて、スペシャアワード2018年が開催された。
お友達のご好意により、エレカシのライブアクトが既にアナウンスされていたこのいかにも楽しげなイベントに参加することができた。
MCはいとうせいこうユースケ・サンタマリアきゃりーぱみゅぱみゅ
なぜここに岡村靖幸がいない?と思ってしまうほど、桃の香りの強い面子。
だってオープニングアクトからしてDAOKO嬢だもの。

と、あたまから通して書こうと思っていたが、結果的にそれは無理。だってエレカシの突出具合が凄まじかったから。
生のエレカシを観るのは五ヶ月ぶりだ。もちろん曲は日々聴いていた。
自分にはエレカシに対する耐性がついていると思っていた。しかし実際はまるで今年猛威をふるった、予防接種したのにこの流行りっぷりは何?と思うほどのインフルエンザB型くらいの強さがあったよ、エレカシ

とりあえずエレカシ以外で印象にのこったものを先に書いておこう。
・BEST CREATIVE ARTISTは小沢健二
 もちろん本人が出てくるわけではなかったが、受賞コメントVTRが流れた。
それがまた、「小沢健二の中の人」という設定でアニメ的なものをわざわざ作ってあり、あぁぁぁ、小沢健二、相変わらずめんどくせぇと思った。すごく褒めていると思ってもらって結構だ。

・ホルモンのダイスケはんとナヲのプレゼンター仕事、もちろん期待していたし、やっぱり期待以上。

平井堅、VIDEO OF THE YEARとしての受賞だったので、「ノンフィクション」のビデオのように花束を持っての歌唱。この曲そのものが好きだし、一度は生で聴きたいアーティストだったので大満足。やっぱりいい声。まっすぐ胸に響いてきた。

星野源、二部門受賞。特に一般投票部門が第一位。このときの会場の「あー」という納得の声。(ちなみにエレカシは第四位。実はこの順位もすごいと思っている)
こういう「賞をもらう」ということに違和感がなくなったのは、いったいいつからだろうと星野源を見て思う。ここ数年の活躍、成長、落ち着き。とにかく身体だけには気を付けて楽しくお仕事してほしいと心から思う。

・ちょいちょい挟み込んでくるサンタマリアのネタがとっても面白いんだが、あの会場ではなぜがウケが弱い。

と、3時間も観ていて、こんな感想しかないのか自分、と思っているが、それほどまでにエレカシが…。

どの部門で賞を獲るのかと思っていた。グループ男性部門なんだろうな、と思っていたらワンオクさんが受賞。世界のワンオクはもちろん会場に来ない。台湾公演の特別映像が流れ、その規模にビビる。
じゃあ、俺たちのエレカシは?と思っていたら、いいじゃんいいじゃん「RESPECT ARTIST」受賞。
颯爽と出てきた時には会場がざわめき、「悲しみの果て」開始。
久しぶりに聴く生宮本の声は、誰よりもでかく、上手い。
充実?安定?満ち足りた声と言おうか、周りのサチモスファンやゆずファンの肩を叩いて、これが自分の推しっす、と言ってまわりたくなるような歌いっぷり。

まあ、一曲ということはないだろうと思っていると、宮本のギターチェンジののち聞き覚えのあるイントロが。いや、聞き覚えがあるどころか、「これガストロンジャーだよな?」とすぐわかったわけだが、宮本が弾くガストロンジャーのイントロというものを初めて観たものだから、ちょっと何がなんだか…、となったところ、ほぼ最後列に近いところから観ていた自分には何がおこったか、わちゃわちゃ感があり演奏中断。
そして「自分が最初に弾くことはないから」というような宮本の堂々とした、これが非常に落ち着いたというか平静というか、逆にツボだったのだが、とにかく宮本の堂々とした説明があって、生放送だというのに「カットしてもらいますから」なんていう洒落たことまで言って再び宮本の手によって演奏スタート。


そこからはサービス精神旺盛と言おうか、力がありあまりすぎていつ発散しようか待ち構えていた暴れん坊将軍といおうか、それはもうありとあらゆることを詰め込んできた。

 

ギター、ものすごい早い段階でぶんなげる。
上着脱ぐ。ひっかかって脱げない。一生懸命脱ぐ。
ステージの階段登る。最上段に行く。最上段でセットに有線マイク引っかかる。誰も助けられない。自力でなんとかする。
両手を大きく広げ、振り、見えますかーと叫ぶ。
「かわいいぜー、よく見えないけど」のお言葉を発する。

バスドラの上に立つ!←さすがに会場ざわつく(笑)小鬼感、大将感が半端ない。だいたいにして、あそこに立つって何?何キロまで耐えられるの?

 

こうして羅列していくと、一見通常運転のようだが、いつもと違うのは、いつも以上に「はりきっていた」こと。
これは宮本本人が「いつもはもっと大人しいのですが、ちょっと今日ははりきってしまいました」ということをはっきりと発言。
なぜはりきったか。それは「音楽の賞」をもらったのが初めてだから。
歌い終わり、MCとのトークの際に「こういう賞はいつもらったかなって思ったら、『今宵の月のように』のときにみうらじゅん賞をもらったときと、男優賞をもらった以来、3つ目です!音楽の賞は初めてです!」と言っていた。もちろんいとうせいこう氏は、みうらじゅん賞に反応「うちの相方の」とすかさず言っていてなんというか、サブカル好きの自分、スッキリ。

やっぱりサービス精神が旺盛なんだな。この選曲も、スペシャという音楽を聴く人たちが集まるイベントなので選んだということを言っていた。ナイス選曲だと思った。
そしてライブアクトミュージシャンの中で一番のベテラン、最年長が、一番すごいパフォーマンスをしたとせいこう氏も言っていたとおり、たった二曲なのに、え、ほんとに二曲しかやってない?だってエレカシのことしか憶えてないよ!というような状態におちいらせるほどの満漢全席っぷり。なにせストーンズ風、オールメンバー横一列になってお辞儀までやったんだから。
シャツをインしていたのは、授賞式という場だからだろうか。そうでなければ、きっと全部のボタンを飛ばしていただろう、がばっと開いて、ふんっ!と。

大事にトロフィーを抱え、それから石くんに持たせ、そしてこれからも頑張ります的な挨拶の時に石くんの右手を取り、上にさっと挙げるという、この石くん絡みの動きも堪能。

年間最優秀賞的なものは、ゆずが受賞し、あらかじめ客席全員に配られていたゆずタンバリンを、CM中の振り付け指導を経て、本番で振るという終わり方。
紅白歌合戦で、あれを合戦と明言していた宮本ファンの自分としては、もうこのような賞獲りの現場にくると、タンバリンを振っている自分、口惜しや…ということになったのだが、二度とこのような経験もないだろうと、同じアホなら踊らにゃ損々をモットーとしている自分は、きっちりタンバリンも振ってきた。

ほぼ最後列に近い状態で観たスペシャアワードだったが、結論から言うと、エレカシの場合、距離感がわからなくなる。
まあまあ距離はあったと思うのだが、とにかくあの赤鬼のような動きの激しさ、そして声のでかさ、すぐ目の前でパフォーマンスをされているような気がする。すごい充実感…。
何事においても全力の宮本を再び観ることができて、大満足の一日だった。

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