四月の風

君に会えた四月の風

劇場版「エレファントカシマシ」

ドラマ25 宮本から君へ:テレビ東京

祝「宮本から君へ」、実写版ドラマ化決定&エレファントカシマシ主題歌決定!ということで、パソコンに残しておいた数少ないエレカシブログ原稿から、これを載せておくとします。

ここで私は作者の新井さんを初めて知りました。

私が嫉妬した男たちの中の一人です。

 

以下、文章再掲。

 

 

 

  

 

劇場版を観て私が真っ先に思ったことは、「わたくしごときが、宮本さんのことを『ミヤジ』などと呼んではいけない」だった。

メンバーが呼ぶ「ミヤジ」のイントネーションを聞いてしまったから。

 

石森さんの、あの大股をひらいてギターを弾く形は、宮本さん伝来のものだったのか!とか

石森さん、練習中に腕立てふせさせられているよ、とか

石森さんに電話でパソコンのことを聞いていながら、「あんたになると、かえって話が複雑になるのよ」

と言って宮本さんが電話を切る、とか

もうこの中の石くんに関することだけで、おそらく一本書ける気がする。書かないけど。

 

横山健が、自分が5人目としてスタジオに入ってあれやられたらかなわないですね、すぐに辞めます、はい。

と言っていたけれど、本当に宮本さんが容赦ない。

「俺よりお前の方がリハビリ」

「顔を見ただけで具合悪くなる」

「歌う気しねえ、ガッツ出して!」

「憶えてこいよ、このバカ!」

「何も考えなくていいから、うちに帰ったら3時間弾き続けて」

激しければ激しいほど、あぁこの人たちの飲んできた水は同じ蛇口からでた水道水なんだな、というか同じ釜の飯を喰ってきたんだなというか、

それはもうまるで自分の学生時代の部活を見るような気さえしてくる。

根っこの部分が「友達」でできているんだな、ということがしみじみと伝わる。

 

しかし、何が面白いって、挟み込まれるコメンテーターの方々のコメントがすごい。

男たちによる、俺は観てきたぜエレカシを!という、でも決してエレカシ讃歌ではなく、当時の素直な気持ち、

その時の状況を話しているのだが、だからこそ彼らにとってのエレカシというものが、どれだけ特別であったか

伝わってくる。

 

ジャケット写真しか知らなかった頃、成ちゃんがもちろんボーカル、宮本は伏し目がちだからベースっぽいなと。

花屋のバイトが終わって、わざわざスーツに着替えて渋公のコンサートに行った「宮本っぽくありたい」

 

なんだこれ、気狂ってるわ

しかし前衛的という感じではなく、自分も持っているようなものに惹かれた。

まだバンドをやっていなかったが「こいつとやる」と。

 

ブルーハーツに希望をもたされ、エレカシにしめ殺された。

 

過去のライブの映像も、とにかくお客さん(男)がすごい。

「宮本、とっとと歌えー!」「何笑ってんだよー!」

完全に闘いに来てる感じ。

それに対する宮本さんも

「うるせぇなぁー、あがってきて言え!」

「RCサクセションで踊ってろ、ボケが!」

(RCとスライダーズのオープニングアクトだったというから、この後出てきた清志郎がなんと言ったのか、個人的には非常に興味あり(笑))

しかしいろんな声が飛び交い、宮本さん自身も自分たちをクビにしたレコード会社に悪態を散々ついたのちに初めて客前で歌ったであろう「悲しみの果て」は鳥肌。

 

2007年の野音での「俺たちの明日」の泣きながらの歌声もたまらない。

宮本さんの泣きながらの演奏というのは、いくつか映像で観た。

完全に泣いている。泣いているけれど歌が止まらない。あれだけ泣いたら普通は歌えなくなる。

しかし歌が語りになろうが何になろうが、泣いたまま続ける。すごい。

 

もっとすごいのが201398日の復活の野音のリハ。

「じゃあやりまーす」と言った瞬間に、本当に間がまったくない状態で「消えないココロの古キズに」とさよならパーティーを歌いだしたところ。「宮本=音楽そのもの説」を目撃した瞬間とでも言おうか。バンドの対応能力に度肝を抜かれた。

 

闘い方をいろいろ学んで、その歴史があって、熟成した「男の子」になった。

 

独自の進化を遂げた世界レベルの「帰宅部

 

エレカシは日本のロックバンドです。ではなく、「日本のロックバンドはエレカシです」

 

「お手元めがね」やら「さあ、およしなさいよ!パン(手を叩く音。おかみさん?)」やら、ところどころ出現する「ここでかわいいかよっ!」という宮本語録にやられるし、ジャイアンツの帽子をかぶるところなぞ、いまどき中坊でもかぶらねぇと震えるほど最高。

 

たんまりとあるライブDVDも観ずに、なぜ私はこのDVDを先に観たのか。

岡村靖幸がラジオでこんな話をしたからだ。

エレファントカシマシのドキュメンタリーを観たのだが、自分だったらあそこでああ言えただろうか、と思ったと。

結論から言うと、それがどの時の何の言葉かは全くわからないけれども、岡村は言わないから岡村なのであって、また言うからこそそれが宮本さんなんだよな、と思った。

だからこそ私は同時にこの二人を好きでいられるのだ、とも。まあ、みなさんには知らんがな、という話ですね。すみません(笑)

 

劇場版の中では「めんどくせい」と「あなたへ」はフルで聴くことができる。

特に「めんどくせい」は丸々演奏シーンを見ることができる。これだけで元は取れた。最高。何度でも観たい。

 

最後に、私が一番好きだった言葉がある。それは大根監督が言ったこの言葉だ。

エレカシ、イコール友達。古い友達。知らないんだけどね、会ったことも話したこともないんだけど(笑)

エレカシの曲は使いたくない。友達だから。

 

エレカシが友達であった全ての男たちに嫉妬する。