四月の風

君に会えた四月の風

明日に向かって走れ-月夜の歌-

 

明日に向かって走れ-月夜の歌-

明日に向かって走れ-月夜の歌-

 

 

邦楽アルバムチャート1位、オリコンチャート最高位2位。
バンド最大のヒットアルバム。
そりゃそうだ、と新人ファンの私は思う。
数回聴いただけで、もう全曲ハナウタで歌うことができ、今では全曲気持ちよく歌える。
歌えるって、実は人の心の中で重要な部分なんだと思う。

プロデュースは「宮本浩次佐久間正英」の連名。
ポニーキャニオン時代、佐久間さんに愛されてるなぁ、そういう雰囲気がアルバム全体からとても感じられる。
しかし、愛されていることと、本人の理想とはまた別の話らしく、「Walkmanで聞きながら渋谷を歩いていた宮本が、整然とトリートメントされた、いかにもメジャーというような音質にいらだち、その場にWalkmanを叩き付けた」という逸話がまた大好きだ。

言うまでもないが、エレカシ最大のヒット曲「今宵の月のように」が収録。
しかし、このアルバムの中で聴くと、「風に吹かれて」があって「月夜の散歩」があって、そして「今宵の月のように」が存在しているという、一曲が突出しているのではない、『美しいものが見たい。何かを信じたい』その言葉を正直に歌うとこういうものが生まれてくるのだ、という何か純粋な結晶を見たような気持ちになる。

30周年ツアーで、「風に吹かれて」のことについて、「自分で作っておきながら、本当にいい歌だなぁと思う」「悲しい歌なんですよね、その事に最近気づいて涙を流しながら聴いた」というようなことを何度か宮本さんがおっしゃっている。
その「気づいた」ことで、また私達聴く側が今度は気づかされる歌い方を確かにしている。
エレカシが歌う過去に作った歌は懐メロではない。常に「今」の歌なんだ、ということがこうしてアルバムを遡って聴くことによってますます確信することができている。

あ、「風に吹かれて」といえば、シングル「笑顔の未来へ」に収録されているNew Recording Version、私は槇原敬之さんのラジオで音源化されていることを知り、買ってから本当によく聴いている。
蔦谷さんの手によって、これも大事な一面を気づかされた瞬間だったんだろうな、と思っている。

このアルバムで私が一番新たに気に入ったのは「せいので飛び出せ!」
作詞・作曲・編曲:ダンディーブラザーズ(高緑成治宮本浩次)と書いてある。
アゲアゲでイケイケでノリノリ。とりあえず死語を並べてみたが、ダンディーブラザーズ、萌えしかない。