四月の風

君に会えた四月の風

ジャケ写にまずヤラレるでしょ、これ…「昇れる太陽」

 

昇れる太陽(初回限定盤)(DVD付)

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このアルバムを初めて見た時の私の感想は
「なにゆえいかつい…。あの可愛いミヤジはどこへ…。」でした。
蔦谷好位置亀田誠治・YANAGIMAN・生駒龍之介
4人のプロデューサーによる、実に色彩豊かなアルバム。

桜の花、舞い上がる道を
新しい季節へキミと
絆(きづな)
この3曲がシングル。そして ハナウタ~遠い昔からの物語~ こちらはCMタイアップ曲。
あさっての方向に目と耳がついていた私は、どの曲も知らず。

ATBを聴いたことにより、ベスト盤に入っている曲はもちろんスラスラと滑らかに私の中に入ってきました。
私の大好物は、スラスラではなく、胸のささくれにひっかかりまくる曲たち。
一曲目から期待を上回るひっかかりっぷり。
いかつさにビビりながら、アルバム初対面としての一曲目「Sky is blue」。
ミヤジの空は、やっぱり青かった!
少年の時に見た太陽とは同じだけれども、違う。
普遍的でありながら、俺を未来へといざなう。そこで見る空は、めっちゃブルー。
勢いあるよなー。アルバムタイトルにまっすぐにつながる曲。

「新しい季節へキミと」は、初めて聴いた時から♪春夏秋冬彩る のメロディといい、歌い方といい、スケールの大きさに
心がざわざわとしました。ぐわーーーーっと時間軸が動く感じが非常に気持ちいい。
ここから始まりのグラデーションという、目には見えないけれども心に感じる彩が鮮やか。
聴いていてとてもスカーッとする一曲。

「おかみさん」
もうタイトルからして、この曲を作った事情とか状況を軽く教えてはくれまいか、と思います。
「宮本文学」を体感できる一曲。
なんといってもこの曲はイントロ。ずるい。すごい勢いで引きずり込まれる。
近未来的歌詞(中でも巨大いちごって可愛くないですか?好きなのですか、いちご(問わず語り))でありながら、普遍的なおかみさんとおやじさん。
おかみさんは布団を干し、おやじさんは進歩なんかしねぇ。
そしてここでもまた日は昇る。めちゃめちゃ味わい深い一曲。

「It's my life」の勢いで運転すれば、必ずやどこかにつっこむであろうスコーンと何も考えない感が、非常に気持ちいい。
なんとなく毛色が違うと思ったら、この曲のみ生駒龍之介氏プロデュース。
宮本さんは果たして今も運転をするのだろうか、などとぼんやりとした不安感(←失礼)を胸に抱きつつ、このアルバムで私が一番好きな「ジョニーの彷徨」へ。
昇った太陽が完全に燃え盛っているし、私の思うところのこのアルバムの一つの山場。
どこをどう見ても聴いてもかっこいい。尖っているのにポップ。アルバムジャケットの顔に一番似合っているのがこれ!
ギターのリフも凄いし、とにかくダイナミック。褒める言葉しか出てこない。

このダイナミックさが生きるのは、次が「ネヴァーエンディングストーリー」だから。
この曲順が見事。非常に宮本さんの歌い方が際立つ一曲。

桜の花で終わらすところなど、全くもって出来すぎじゃないかしら、と思ってしまいます。
移ろいゆくものと、普遍的なもの。それが宮本浩次の手によって大胆かつ繊細に描きだされる。
それぞれのプロデューサーの色が濃く出ながらも、とてもアルバムとしてまとまりを感じる力のある一枚。
そう思うのは、やっぱりジャケットのサングラス顔の迫力という味付けがあってこそかもしれないなぁ、と正視できない分、しみじみと薄目で眺める私でございました。

実は、このアルバムも感想を書くのはたいそう難儀いたしましたが、次の『STARTING OVER』をちょっと聴きましたところ、いろいろ気づく部分があり、なんとか書けた次第。
むしろ『STARTING OVER』が、今もっとも私の心の中をかき乱している最中でございまして、これも書けるかなぁ。甚だ疑問(笑)。
次の感想が不安感で埋め尽くされていたら、それはそれで生暖かく見守って下さい。きっと立ち直ります。

 


M-01 Sky is blue
M-02 新しい季節へキミと
M-03 絆(きづな)
M-04 ハナウタ~遠い昔からの物語~
M-05 あの風のように
M-06 おかみさん
M-07 It's my life
M-08 ジョニーの彷徨
M-09 ネヴァーエンディングストーリー
M-10 to you
M-11 桜の花、舞い上がる道を