四月の風

君に会えた四月の風

アルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』

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若さが持つ痛々しさ、いじましさ、怖いもの知らず感、全てを隠すこともなく前面にさらけ出している、これぞ「エレファントカシマシの根っこ」といえるアルバム。

その証拠に、30年経った今もライブの定番として歌われている曲の多いこと。
しかも、それが聴いていて全然恥ずかしくない。

ややもすると、デビュー当時の歌というのは青臭さが、今現在歌っているその人の状況とかけ離れ過ぎていて、聴いている側の落ち着きを無くしたりするものだが、エレカシの持続し続けている驚くべき瑞々しさは、この1stアルバムの楽曲をいまだ説得力のある状態で、聴く私達に伝えてくれている。
それはまるで、この30年後の自分たちの姿を想像して書いたのではないかと思うほどに。
10代の頃に書いた「やさしさ」、私は昨年の仙台公演で聴いた時に泣いた。
10代の宮本に、今の自分が支えられる時がくるとは夢にも思わずに。

いまだ「デーデとは、なんぞや?」と思わぬわけでもないが、そういう「なんぞ?」という私ごときのクエスチョンマークを軽く凌駕する宮本のボーカル力には、何度聴いても驚かされる。惜しむべきは、なぜ30年前にこのことに気が付かなかった、自分、ということになるのだが、音楽というのは、出逢うべくして出逢うタイミングというものがあると思っているので、焦ることなく、末永く聴いていこうと思っている。

メンバーがインタビューで語る、30年バンドが続いたのは「ミヤジだったから」という言葉は、すでにもう始まっている。

1.ファイティングマン
2.デーデ
3.星の砂
4.浮き草
5.てって
6.習わぬ経を読む男
7.BLUEDAYS
8.ゴクロウサン
9.夢の中で
10.やさしさ
11.花男