四月の風

君に会えた四月の風

エレカシが紅白に出るということ

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ロッキングオンジャパン最新号にて、宮本は紅白について「僕はうっすら狙ってるから」と明言していた。「出たくてしょうがないから」とまで言っていた。
その発言の真剣さは、文字で見ても、まるで新人歌手のような純粋さで読んでいるものに伝わってきた。
かっこいいな、と思った、心の底から。
「はじめての僕デス」が私と宮本浩次の出会いであった。「悲しみの果て」も「今宵の月のように」もカラオケで歌ってきた。しかし、今年私はエレファントカシマシというバンドに初めて対峙したのだと思う。
NHKの「The Covers」で赤いスイートピー喝采を歌うエレカシを観て、私は彼らのことを何も知らなかったことに気づいた。ぶん殴られたような衝撃だった。
そこから半年で、私はエレファントカシマシのオリジナルアルバムを全て聴き、ライブDVD、ドキュメント映像作品を全て購入した。雑誌も買った。単行本も買った。
現在も継続中の30周年ツアーにも運良く前半後半で2ヶ所行くことができたし、恐らく今後語り継がれるであろう野音にも行くことができた。
その全てをさらけ出す姿は驚きに満ちていた。そして体感すればするほど、彼らのこの歩みを祝福する気持ちが強くなった。
私は紅白歌合戦というものが単なる歌番組ではない、という位置づけをしてきた年代である。その年に頑張った歌手を言祝ぐ場としての紅白を観てきた世代だ。
「その」紅白にエレカシが出る。紅白なんて、単なる歌番組と格好つけるわけではなく、驚くほど素直に出たいと言った宮本が出る。これを祝福せず、何を祝福すると言うのだ。
エレファントカシマシ紅白歌合戦に出ることは、非常に大きな意味を持つ。大衆に迎合するのではなく、全てのものに全力で向き合った結果がこの紅白歌合戦初出場だと思う。いい歌を作ること、演奏すること、歌を届けることがどれだけ大事なことか、そういう「当たり前」のことを30年愚直なまでに続けてきた彼らが出る。伝わるものが必ずあるはずだ。
きっと彼らは、どんな新人歌手よりも瑞々しく、そして力いっぱい大晦日のステージに立つことだろう。
みんなのうた「風と共に」で歌われている“今の私にこそ相応しい 輝きを抱きしめ”て彼らはあのステージに立つ。
エレカシを好きになったのは、「紅白歌合戦エレカシが初めて出た年だ」。これから私は胸を張ってこう言い続けることだろう。
「はじめての僕デス」から40年。どんな物語よりも夢があるじゃないか。
こんなにも素晴らしい年に立ち会わせてくれてありがとう。
そして、おめでとう、エレファントカシマシ