四月の風

君に会えた四月の風

ミニだけどミニじゃない!「DEAD OR ALIVE」

 

DEAD OR ALIVE

DEAD OR ALIVE

 

 

アディショナルミュージシャンなし。
「俺の道」「扉」までの3作がこの形。
やっぱりバンド修行期というか、宮本さんの修行期というか、見つめ直すぜ俺たちの音を、といった感じでしょうか。
少なくとも私はこの3作品でじっくりと当時の「エレファントカシマシ」の音に耳をすますことができました。

 

バンド初のミニアルバム。
なぜこれがミニだったのか?
どこかにはその理由が書かれているのかしら。
どうしても私はそれが知りたくて、試しに一つ前の「ライフ」を聴いてみたところ、これがまた「でえぇーーーーーーーーーーっ」ていうくらいガラッと印象が変わっていて、もう勝手にあぁ、ライフがこういう感じだから「俺の道」の前にまず出しておきたかったのかなと納得。
しかし振れ幅が大きい。ライフについては後日またゆっくりと書こうと思います。

15年前の年末に発売、ということは今現在の30周年という場所から考えると、ちょうど半分の場所に位置する作品。
私、ついに半分の地点まで到達したんだ、と感慨深い。そして先は長い。

俺の道で37歳と歌っていたと思ったら、今度は36年と歌っている。そしてライフでは35…。
年齢三部作と憶えました。一番年齢を意識した頃なのかしら。
5曲とも、かなりの叫びっぷり。
叫んではいるけれども声に悲壮感がない。余裕なのか若さなのか。
信じろ この世は全てがステージ
と歌う歌声は非常に力強い。

素直であるとは闘わぬことなのか?
時からのメッセージ それは破滅を遥か臨むより俺が破滅へ向かって力強く歩むこと

このあたり、普段の生活でただただぼんやりと生活しているような私には、説教くらった感があります。だんだん叱られたくてエレカシを聴くという人の気持ちがわかってきました。

時を越えていくために休め
静寂の部屋に籠もりいて
もう一度出かけていけ
「クレッシェンド・デミネンド」という曲名がすごく効いている。
クレッシェンド・デクレッシェンドとするよりディミヌエンド、しかもそれを縮めて
デミネンドとしたところは、語感として宮本さんが考えたのかしら。それとも普段から
このくらい縮めて言っているのかしら。
歌の歌詞にはこの言葉は一切出てきません。
でもこの「静寂の部屋」に籠って、そしてもう一度出かけていくということがディミヌエンドとクレッシェンドということなのではないか、と想像。
楽譜に浮かんで見えてくる音の立体感のような風景が、この歌からも立ちのぼる気がします。

「何度でも立ち上がれ」
これもまたお尻を叩かれるような曲。タイトルそのもの。
そして俺の信頼裏切る36年と歌う「未来への生命体」でダイレクトに「俺の道」に繋がっていく感じ。

とにかく5曲全部が鋭い。
この鋭さが、「俺の道」「扉」への前哨戦ということならば、それはそれで大変納得。